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開口力と嚥下障害の関連性

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション分野の戸原玄教授らの研究グループが開口力を計測し、嚥下障害との関係を調査しました。

そのポイントは

  • 舌骨上筋は嚥下において喉仏を持ち上げる重要な筋肉であるため、その筋力低下は誤嚥に関与する。
  • 舌骨上筋は開口時にも働くため、口を開ける力(開口力)を計測することでその筋力を計測。
  • 高齢者を対象とした調査の結果、開口力の低下が嚥下障害のリスクになることが分かった。

     

本研究により、開口力を計測することで、場所や職種を問わず、嚥下障害や嚥下機能の低下を早期に発見できる可能性があるようです。また、開口力と嚥下障害との関連が明らかになったことから、口を開けるトレーニングを行うことで、開口力が増加し、嚥下機能が向上するということも考えられます。

今後は脳卒中発症後などの急性期や、その後の回復期においても開口力が嚥下機能の評価に有効か、また慢性期においてもサルコペニア性嚥下障害と関連するかということについて、さらなる検討を進めていくそうです。

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